ヘアメイクを正社員で雇う理由|M’s株式会社・松本江里子さんインタビュー

ヘアメイクを正社員で雇う理由|M's株式会社・松本江里子さんインタビュー

ヘアメイクの世界は、長らく「見て覚える」「食らいついた人だけが残る」業界でした。フリーランスが大半を占め、正社員として雇用されるヘアメイクアップアーティストは、いまも決して多くありません。

そんな中で「毎年3人の正社員雇用」を掲げ、一から十まで育てるという方針を貫いているのが、東京・高田馬場に拠点を置くM’s株式会社(M’s hair&make-up)です。ライブ・MV撮影・アーティスト撮影を軸に、声優や議員の現場まで幅広く手がけ、直営のHair Make Salon M’sでは一般のお客様も受け入れています。

今回、ヘアメイクマッチング株式会社は、同社代表の松本 江里子さんに、なぜ正社員雇用という道を選んだのか、どんな人と働きたいのかを伺いました。ヘアメイクを仕事にしたい方、一度現場を離れて復帰を考えている方に、ぜひ読んでいただきたい内容です。

目次

お話を伺った方

松本 江里子(まつもと えりこ)
M’s株式会社 代表 / Hair & Make Artist
ベルエポック美容専門学校を卒業後、ヘアメイク事務所に5年間所属。独立を経てM’s株式会社を設立。ヘアメイク歴20年。アーティストのMV撮影・ライブ・ドラマ・バラエティ番組などを数多く手がけ、アジア・ヨーロッパ・北米・南米など20カ国以上の海外ツアーに同行。テレビ朝日『ロンドンハーツ 奇跡の一枚』、『エガちゃんねる』、TBSテレビ『ニンゲン観察バラエティ モニタリング』などの変身メイク企画も担当。

動画で見る(会社説明)

この記事は、松本さんご本人が語った会社説明動画「ヘアメイクのプロになりたい人へ|M’s Hair Makeupの挑戦」をもとに構成しています。あわせてご覧ください。

「一緒に働くスタイル」から始まった会社

――まず、松本さんのこれまでを教えてください。

松本:ヘアメイク歴は今年で20年になります。ベルエポック美容専門学校を卒業して、その後ヘアメイク事務所に所属しました。5年間事務所にいて、そこから独立しています。

独立して5年ぐらいの頃かな、アシスタントに来てもらったんです。今も一緒に働いている子なんですけど。私の場合は、アシスタント期間が終わったら「はい、さようなら」というスタイルではなくて、そのまま一緒に仕事をしていくスタイルを取ったので、アシスタントを育てて、仕事をどんどん行ってもらって、また新たなアシスタントが必要になって……というのを繰り返して、少しずつ人が増えていきました。

――そこから会社にしようと思われたきっかけは。

松本:アシスタントと10年くらい一緒にやっていく中で、「この子たちを社会的に守っていきたい。一生守っていくにはどうしたらいいんだろう」と考えたんです。そのときに出てきた答えが、正社員雇用でした。

なぜ「正社員雇用」なのか

――ヘアメイクの世界では、正社員という形はかなり珍しいですよね。

松本:そうなんです。ヘアメイクの会社で正社員雇用を取っている会社って、すごく少なくて。私が最初に入った会社も正社員ではありませんでした。

理由の一つは、自分の経験です。私は子供が3人いるんですけど、27歳くらいのときに子どもを産みました。フリーランスって、仕事ができないと全く稼げないんですよね。休んでしまうと、一切収入が出ない。

でも正社員雇用にすれば、産休・育休だったり、国からのたくさんの補助があることを知って。ヘアメイクさんを国の力で守っていきたいと思ったんです。それでこの会社を作りました。

今はM’s株式会社の代表として、私を含めて正社員が4人います。正社員と準社員、あと第三者の方々にもお仕事をしていただいているので、いろいろな契約内容がある会社になっています。M’sは毎年3人の雇用を目指しています。

「一から十まで、全部教えます」

――M’sのもう一つの特徴が、育成方針だと伺っています。

松本:育成に関しては、一から育成します。これは私がアシスタントを雇う時からずっと言っているんですけど、一から十まで全て教えます。「これ分かってるでしょう」ではなく、文書の作り方とか挨拶の仕方とか、そういうところから全部です。

一番長いスタッフだと、もう13年育てています。どんな人でも、私は必ず立派なヘアメイクに育てられる自信があります。そして技術だけではなく、人間性を育てるというのも、M’sの強みなんじゃないかなと思います。

仕事の中心は「音楽」、でも全部できることがモットー

――実際のお仕事の内容を教えてください。

松本:一番多いのが音楽です。ライブだったり、MV撮影だったり、アーティスト撮影だったり。そういうところがすごく多くなっています。

ただ、本当にたくさんのお仕事をいただいていますので、M’sのスタッフは全ての仕事ができること、これがモットーになっているんです。なので、いろんなお仕事をさせていただいています。その中でも声優さんのお仕事だったり、議員さんだったり、本当にたくさんの方々のお仕事をさせていただいてます。

あともう一つ、Hair Make Salon M’sというサロンが高田馬場にあるんですけれども、こちらでは一般のお客様もやらせていただいています。一般のお客様にもプロのヘアメイクの力を体験していただきたいということで作ったんですけれども、本当にたくさんの方々に喜んでいただいてます。

採用の流れ

――応募から入社までの流れを教えてください。

松本:まずメールをいただいて、履歴書を送っていただきます。

M’sにはジュニアスタイリストコースというテストがあって、こちらに受かった人が入社できるんですけども、まずこちらの受講料の部分を確認しています。それが受けられますよという方は、私とLINEがつながります。そこでスタッフとグループLINEを作らせていただいて、10日間の研修期間を持ってもらいます。

サロンだったり現場だったり、M’sのたくさんの仕事を見ていただいて、「こういう会社だよ」というのを見ていただくために10日間かけています。これが終わった時点で、実際にM’sに入りたいかを確認して、入社の意思がある場合は私と面接になります。

その面接で諸々確認させていただいた上で、スタッフに「この人と一緒に働きたい」という意思を全員に確認し、それが通った場合に入社になります。

  1. メールで応募 → 履歴書を送付
  2. ジュニアスタイリストコース受講料の確認
  3. 松本さんとLINEでつながる → スタッフとのグループLINE作成
  4. 10日間の研修期間(サロン・現場・事務作業を体験)
  5. 入社意思の確認
  6. 代表・松本さんとの面接
  7. スタッフ全員の合意 → 入社

ジュニアスタイリストコースで見られること

――そのテストは、どのくらいの難易度なのでしょうか。

松本:本当に基礎の基礎をやるテストになっているんですけど、実際に専門学校を卒業していたら内容は全部やっています。だけど、専門学校でやっている技術と、実際に現場で使える技術っていうのは、似てるけど違うんです。

一番重要なのがタイムです。学校の授業は60分の間で一つの作品を作る、そういうことがすごく多いんですけど、私たちが現場で得られる時間ってすごく限られます。M’sは時間に必ず収めるというのをすごく大事にしていて、ここがまずジュニアスタイリストコースで重要視されているので、時間内にこのセットが作れるかがすごく大事になります。

あとは、出されたイメージをすごく大事にしています。本当に基礎の基礎なんですけど、左右対称であること。前髪や横の毛の左右対称さとか、そういうところをテストではすごく見ます。

それからアホ毛ですね。撮影の時にピンピンと立つアホ毛が本当に好きじゃなくて、こういう部分のケアもしっかりとやること。あとはピニング、ピンがきちんと打てていること、取れないように。

――なぜそこまで基礎を厳密に見るのですか。

松本:最終的に、私たちはステージのヘアメイクをするからです。ステージのヘアメイクって、とにかく崩れちゃいけない。「M’sのメイクは崩れない」、これが強みになっているので。

このテストにちゃんと受かっている人は、本当にその辺の10年選手より上手いです。実際これは、いろんな子たちのテストの結果を見ていて思っています。

ジュニアスタイリストコースに受かったら、すぐにサロンに出るようになります。サロンですぐにお客様に入っていくので、その期間としてもしっかりと学んでもらっています。今は「ジュニアスタイリストコース料金」というのも出していて、受講生がお客様に触れることができるスタイルも取っているので、受講しながら、受かったテストに関してはお客様に提供できる。お客様もある意味、少し安い金額でヘアメイクを体験できるというのを、サロンで実施しています。

編集部注:美容師法上、ヘアセットやメイクなど「容姿を美しくする」施術は美容にあたり、業として行うには美容師免許が必要です。応募資格・必要な資格の詳細は、M’sの採用担当者へ直接ご確認ください。

10日間の研修について

――10日間では、何を体験できるのでしょう。

松本:M’sではサロンだったり、もちろん現場だったり事務作業だったり、たくさんの業務があります。それを一つ一つ……全部とは言えません。やっぱり10日間で体験できることが全部とは言えないんですけども、そちらを一歩一歩体験していただいて、説明をしながらこなしていってもらっています。

撮影の現場に行くこともありますし、ライブの現場に行くこともあります。また声優さんの現場に行くこともありますし、サロンのお客様に対応するところのアシスタントについてもらったりもするので、M’sの仕事を体験するための10日間になっています。

その10日間ではスタッフ一人一人となるべく会えるようにしていて、スタッフの中でも「こういう子なんだな」というふうに見ていく。M’sはチームワークをすごく大事にしています。みんなで一緒に育てていくし、新しい子が来たら全員で育てていく。いろんな現場でもみんなで育てていくという形を取っているので、私は社員全員にチームワークを求めています。

その10日間の中で、「M’sに入ったらどんな感じなんだろう」という職業体験にもなると思っているので、私たちのためでももちろんあるんですけれども、受けていただく皆さんのために実施しています。

求めているのは「素直さ」

――どんな方と一緒に働きたいですか。

松本:研修期間で私たちがすごく重要としているのは、素直さだと思います。先ほど申しました通り、一から十まで教えます。なので、本当に小さなことでも聞いてくれることだったり、私たちが教えたことに対して素直に受け入れてくれること。それがすごく大事になります。

私たちのスタッフが言うことは、一つも間違ったことは言いません。本当にその子にとって大切なことを教えていくので、それを素直に受け入れてくれる方が、私たちはすごく一緒に働きたいなと思う子だなと思います。

――技術面のハードルはどうでしょうか。

松本:技術に関しては、正直、私は本当にできない子でも必ず育てられる自信があります。なので「この技術が絶対できなきゃ」というふうに、そこを問うことはないなと思います。

事前に技術チェックはさせてもらってます。ですが、そこからしっかりと教えていきますので、技術がどうという固い考えよりも、素直さだったり、「一緒にここで働きたい」というその思いが、すごく大事なんじゃないかなと思います。

理念は「全ての人々を心から輝かせる」

――最後に、応募を考えている方へメッセージをお願いします。

松本:M’sでは「全ての人々を心から輝かせる」、これを理念としてやっているんですけども、それは社員のみんなも同じです。

ヘアメイクのみんなも心から輝く、そんなふうな仕事がしたい方だったり、ヘアメイクの力でお客様を心から輝かせたい、そんなふうに思う方を、ぜひぜひお待ちしていますので、ご連絡いただければうれしいです。

M’s株式会社について

  • 会社名:M’s株式会社(M’s hair&make-up)
  • 代表:松本 江里子
  • 直営サロン:Hair Make Salon M’s(東京都新宿区高田馬場4-9-11 藤和高田馬場コープ502号室/高田馬場駅より徒歩2分・完全予約制)
  • 主な業務:ライブ/MV撮影/アーティスト撮影/声優/議員/サロンワーク
  • 雇用形態:正社員・準社員・業務委託
  • 採用目標:毎年3名の正社員雇用

応募・お問い合わせ

M’sの採用に関するご応募・ご質問は、M’s hair&make-up 公式サイトよりお願いいたします。

※採用の可否・条件・選考内容に関するご判断はすべてM’s株式会社が行います。ヘアメイクマッチング株式会社は本記事の取材・制作を担当しています。

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